10月5日(土曜日)に、滋賀県の近江八幡で全盲の小原二三夫さんがトーク&公開制作&創作体験のイベントをされたので、私もお邪魔してきました。こちらは、同市にあるるボーダレスアートミュージアムNo-maを中心に現在開催中の展示会
『ちかくのたび』の関連イベントとして行われたものです。
小原二三夫さんは『ちかくのたび』にも作品を出品されている木彫作家であり、何度か探検の殿堂にもお越し下さったことがあります。
2018/11/10
現在開催中の『追求の先に…美を拓くものたち展Part6』にお越しくださったお客様が素敵な記事をアップしてくださったので、ご案内します。
2019/03/09
本日開催されたギャラリートークの様子をさっそくご紹介いたします。
2019/03/18
3月9日の『ゆるゆるギャラリートーク』にお越しくださった小原二三夫さんが、『愛知川最新研究にさわってみよう!』の感想をご自身のサイトにアップしてくださいました!
そんな小原さんが、近江八幡でイベントをするという連絡を下さいました。
私ももちろん行きますよ。
探検の殿堂3Dプリントモデル(大)を携えて!!
これ、
『愛知川最新研究を触ってみよう!』や夏期特別展
『好きを仕事に 小さいことの積み重ね』でご協力いただいた、小倉拓郎さんや山内啓之さんが作ってくださった探検の殿堂3Dプリントモデルなのです。
(厳密にいうと、小倉さんが3月ごろに探検の殿堂をドローンで撮影してくださった測量データをもとに、山内さんがプリンターで出力してくださったもの)
夏期特別展では、探検の殿堂3Dプリントモデル大・中・小を展示させていただいたのですが、なんと、そのうち探検の殿堂(大)を私たちに譲ってくださったのです!
建物の内部や展示物と違って、建物の形状はなかなか言葉で伝えるのが難しいものだと思います。これがあれば、何度か来てくださっている探検の殿堂がどんな形をしているか分かるのではないかと思い、イベント終了後の時間のある時などにお見せしようと考えたのでした。
★★★★★★★★★★★
残念ながら、駐車場が開いてない&見つからない&会場の場所を間違うという悲劇に見舞われたため、途中参加となってしまいました…。近江八幡の旧市街は観光客らしき人でいっぱいでした。
イベントの会場は近江八幡にある「まちや倶楽部」さんで、写真の通り、酒蔵として使われていたような建物。「まちや倶楽部」さんは、旧市街に残存する歴史ある建物の維持保全・再活用を通じて、地域の賑わい創出をはかることを目的として活動をされているそうです。
「公開制作って何を作るんだろう?」と思っていたら、
なんと参加者が現在持っているものを、小原さんが木彫で掘っていくというではありませんか。
げんざい、もっているもの……
かばんのなかの、たんけんのでんどう……
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(まわりの人の様子を観察しつつ)
(誰もコレ!って言わないのを確認しつつ)
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出してしまいましたぁ。
参加者の皆さまにも、探検の殿堂や小原さんとの関わりをお伝えしつつ、これを参考に制作してくださることにあ、ありがとうございます!!!
驚いたのが、探検の殿堂前にある溜池の馬堤溜
(うまづつみだめ)をさわっているときに、小原さんが「これが愛知川?」と仰ったことです。馬堤溜は永源寺ダムからの水が注ぎこんでいる溜池ですが、小原さんは『愛知川最新研究を触ってみよう!』の展示にお越しくださったので、「東近江に流れる愛知川と探検の殿堂が地理的に近い」ことを知ってくださっているんだ!と嬉しくなりました。
同時に、3Dプリントモデルにおける縮尺は、重要なファクターなのだと改めて感じました。普通の地図にもあるような「縮尺(ここからここまでが~km)」が触って分かると位置関係の感覚がつかみやすいのかもしれません。
小原さんがプリントモデルの中にある探検の殿堂部分を触っている時間は、ひじょ~~~~~~に短かったです。多分、5分も触っていない。1分くらいだったと思います。
小原さん曰く、建築物のような左右対称の立方体は形がとらえ易いらしく、反対に、左右非対称で、ランダムなものになればなるほど形を捉えるのが難しくなるそうです。こうして建物のモデルを触れる機会はなかなか少ないそうなので、今日触れて嬉しいと言ってくださいました。良かったです
探検の殿堂は特徴的な外観をしているので、船だったり、氷山だったり、山だったり…来館者さんからいろいろな答えがあがります。小原さんに探検の殿堂の建物は何の形を表してると思いますか?と聞いたら、「う~ん、南極の船じゃない?」という答えが。やっぱり、先っぽの尖った感じが船っぽいんでしょうか。
探検の殿堂3Dプリントを触ったあと、それを小原さんが木材をどんどん彫刻刀で削っていきます。写真の彫刻刀はすべて小原さんの私物です。大きな部分を切り落とすような場合は、普通の彫刻刀だけでなく、のこぎりも使われるとか。一体、どんな風に使うのでしょうか…
まったく危なげない手つき。私たちとお喋りしながら由自在に掘っていかれます。
そして、あっという間に探検の殿堂のアタリが彫れました。早い。時間は測ってなかったのですが、10分もかかってないと思います。
次は、屋根部分の傾斜を掘っていかれましたが、それも「大体30度くらいの角度だったから…」と迷いのない手さばき。 物の形や角度といったものは、「手のひらくらい」といった個体差のある例えよりも、数値のほうが分かりやすい・伝わりやすいと仰っていました。
ちなみに木材はクスノキだそうです。
クスノキは、最初はやわらかくて彫りやすく、時間がたつとじょじょに固くなっていく性質があるそうです。
公開制作の次は、紙粘土を使って参加者含めて創作体験を行いました。
小原さんからは皆にいただいた
「上手に作ろうとしない」「自分が強調したい特徴を強める」というアドバイスを胸に、各自が紙粘土で何かを作ります。
目の前に置かれた紙粘土…
告白しますが、私、こういう「何か作りたいものを作って」という課題が、凄く苦手です…
なぜなら、本当に、何にも、思い浮かばないからです……
やばい、周りの人ふつうに作り始めてるという焦りが
そして、出来上がったのがこちら。
作品名『手』
コメント「紙粘土を手で握りつづけました」
小原さんも一緒に創作しました。これは「きのこ雲」だそうです。紙粘土というやわらかい材料だと、重量で形が変わってしまうので、そこが難しいそうです。おなじ立体物でも、材料が変わると勝手も違うんですね
参加者のみなさんは、河童、うさぎ、バームクーヘン、いちじく、くつ、かご、帽子、動物園のくま、恐竜…などなど本当に多種多様な粘土細工を作られました。近江八幡にちなんだり、思い出があったりする品を紙粘土で作っている人もいて、その情緒豊かさに驚きました。作るのも楽しかったですが、小原さんが参加者の作品を触ってまわるのも楽しそうで良かったです。
イベントでは、小原さんによる木彫作品を何点か間近で見せていただけて、触ることもできました。一つに見えるけど、触ると二つに分かれる作品などがあったりして、楽しめました。作品の表現からは小原さんが「どこを、何を強調しようとしているのか」というのが感じ取れて、小原さんが捉えた世界の姿が表されているように思いました。
小原二三夫さん、貴重な体験イベントをありがとうざいました。
久しぶりにお会いしましたが、お元気そうで何よりです。
そして、小倉拓郎さんや山内啓之さん。
素敵な探検の殿堂3Dプリントモデルをありがとございました
【展 示】 ちかくのたび
【会 場】 ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
(近江八幡市永原町上16)+近郊5会場(奥村家住宅・岡田家、まちや倶楽部、尾賀商店、寺本邸、展望館)
【開館時間】 11:00~17:00
【休館日】 月曜日(祝日の場合は翌日)
【観覧料】
<全館チケット> 一般1,000円(900円)、高大生900円(800円)
<一館チケット> 300円
※中学生以下無料 ※障害のある方と付添者1名無料
※( )内は20名以上の団体料金
【以下の日程は無料で開館できるそうです】
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「八幡堀まつり」10月12日(土) 18:00〜21:00
※NO-MAと奥村家住宅のみ開催
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「関西文化の日」11月16日(土)、17日(日)