木彫・探検の殿堂

木彫・探検の殿堂
以前の記事でもご紹介した、全盲の小原二三夫さんによる木彫の探検の殿堂ですが、先日、ついに完成したとのご連絡が!!

簡単な要約:ドローンによる撮影で測量したデータから作った探検の殿堂の3Dプリントモデルを携えて、小原さんが講師のワークショップに急遽参加したわたし。なんと、探検の殿堂3Dモデルを参考にして、小原さんによる木彫作品の公開制作をしていただくことに。会場ではアタリをつけるまでだった木彫作品を、ご厚意で完成していただけるようになったのである!!

2019/10/05
探検の殿堂3Dプリントモデルと小原二三夫さん
10月5日(土曜日)に、滋賀県の近江八幡で全盲の小原二三夫さんがトーク&公開制作&創作体験のイベントをされたので、私もお邪魔してきました。

現在、近江八幡のボーダーレスミュージアムNOMAで開催されている展示会『ちかくのたび』の関連イベントに小原さんが参加されるとのことだったので、近江八幡にてお会いし、制作していただいた木彫・探検の殿堂を譲り受けました。
小原二三夫さん、本当にありがとうございました。

木彫・探検の殿堂
小原さんにお会いしてビックリ。なんとそこには二つの探検の殿堂が!
なんと、制作しているうちに、いくつか気になる点が出てきたので、第2号の木彫・探検の殿堂(写真の左側の物)を作ってくださったのです。二つのうち、完成版である第2号を探検の殿堂に譲っていただきました。せっかくの機会なので、第1号と第2号を比較して写真を撮影させていただきました。

違い、分かりますか!?

まず一つ目の違いは「屋根の角度」。
第一号より、第二号のほうが屋根の角度が緩やかです。

木彫・探検の殿堂
そして、二つ目は「建物の全長」です。第二号のほうが全長が短くなっています。




現場で違いを説明していただいたのですが、「どちらが実際に近いか」に関して、私にはまったく分かりませんでしたkao04毎日探検の殿堂に出勤しているはずなのに、屋根の角度や全長など細部に関しては、全然「見えて」ないんだな~と改めて痛感です。目で見えていても、頭にあるのは結構あやふや~な像なんですよね。
(いざそれを絵や立体にしようとすると、途端に細部が分からなくて実物を確認しちゃう…というのも、絵を描く人あるあるだったりします)

それにしても、会場で3Dプリントを触ったのはほんの数分に過ぎないのに、本当にびっくりです。

木彫・探検の殿堂
第2号を、もう少し近くからちゃんと撮影しました。
制作には20センチくらいののこぎりも使われたと聞きました。
素材がクスノキだけあって、かなり温かみがあります。

木彫・探検の殿堂
裏側からみた第2号。
探検の殿堂は先端が鋭利に尖っているのですが、小原さんの探検の殿堂はゆるやかなカーブを描いていますね。

個人的には、ここが一番面白いと感じました!!
それは、「どこを再現しようとしたのか」、「どこが一番印象に残ったのか」、「どこが再現されなかったのか」という取捨選択の結果が表れているからです。(3Dプリントモデルの探検の殿堂の両端は、地面と接地しているので指では触りにくかったという点もあったのでしょうが…kao08

なんとなく、ワークショップで小原さんが作品制作にあたり「自分が強調したいと特徴を強める」とおっしゃっていた言葉が思い出されました。

そういえば、『好きを仕事に』でご協力いただいた小倉さんと淺野さんも、3Dモデルに関して「写真測量そのままの現実の数値から制作した3Dモデルをそのまま見ても、山の高さや形が伝わりにくいことが多いので、高さを強調したりすることがある」と仰っていた覚えがあります。

人間の認識って本当に面白いなと思います。

小原さんの木彫・探検の殿堂によって、表現はひとつの言語なんだと改めて感じられました。
小原二三夫さん、この度は本当にありがとうございましたicon12


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2019年10月29日 Posted by実はシロクマ派 at 17:22 │日常