サポーター西堀榮三郎の活躍―大興安嶺編―









(訳:1942年に今西さんらが北部大興安嶺の探検をしたときに、西堀さんがどんな協力をしたのかを紹介するで)

(訳:西堀さんが三高の浪人時代に培った天文学の知識がこんなところで役にたってるなんて人生なにがあるか分からんもんや。それにしたって自分も忙しいやろうに西堀さんはホンマに優しい人♪)

(訳:実はこの話には諸説あるんや)


(訳:えっ?)

(訳:この漫画のエピソードは、『西堀榮三郎選集 別巻 西堀榮三郎追悼 人生にロマンを求めて』に収録されている藤田和夫さんによる文章に+αしたものなんやけど…)

(訳:それがどうしたクワさん)

(訳:実は別の本では、全然違うふうに書かれているんや!
ジャーナリストの本田靖春さんが書かれた『評伝 今西錦司』っちゅう本。本田さんが、今西さんの関係者を尋ね歩いて証言などを聞き取って書かれた本でな、西堀さんの妻・美保子さんのお話が載ってたりして結構面白いねん。
ほんで、この本には藤田さんも登場していて、大興安嶺での天測の話が紹介されてるんやけど…。
その記述が…
藤田は東京電気に移っていた西堀栄三郎のところへ相談に行った。このように知恵を必要とするとき、今西グループが決まって頼りにしたのが西堀であった。
だが、何か聞けるだろうと東京まで出向いた藤田に、西堀はにべもなかった。
「わしゃ、そんなもん知らん。
お前、やったらできるだろう」
いまにして藤田はいう。
「あのとき西堀さんは、真空管の研究で一番忙しい時期だったんですね」
本田靖春『評伝 今西錦司』 p125



(訳:本田さんの本によれば、藤田さんは若手たちだけで苦労しながら天測技術を確立させていったとあるんや)

(訳:でもでも!西堀さんの追悼本の中では藤田さん本人が当時のこととか色々くわしく書いてはるやん!)

(訳:漫画を描いてる人も、どういうことなんだろう?と疑問に思ってはったわ。)

(訳:ううーん、気になるぅーーーー。真相は……、)

(訳:藪の中ってか)

(訳:まぁ、西堀さんが今西さんらによぉ協力してはったことは確かやから「藤田たちなら、自分の助けがなくても十分に解決方法を導き出せる」と判断しやはったんかもしれへんな)




(訳:だれ!?)