
今日は、今西錦司の大親分ぶりについて紹介するで

わぁ!……
初代南極越冬隊長も務めた西堀榮三郎さんが尊敬していた今西錦司って聞いてたけど…。尊敬っていうか…、なんていうか
西堀さんは今西さんの子分みたい

そやな。
西堀榮三郎は、今西錦司の建てた計画や依頼を達成するために自分の力を発揮することが多かったんや。言わば、サポーター、番頭(※商家の使用人のうち、店の万事をとりしきる者。)さんや。その信奉ぶりは、西堀の奥さんである美保子さん(今西錦司の妹)に
「あなたって、私と兄さん、どちらが好きなんよ?」と言われるくらいやったそうや。

奥さんにそこまで言われるなんて、相当だね。
でも、いくら西堀さんが今西さんのことを大好きだからって、なかなか大変なお願いをされてるよね。南極に行けとか、ヤルン・カンの総隊長になれとか…。

それだけ今西錦司が西堀にとって巨大なボス猿やったというわけや。
西堀自身も「今西に何かを頼まれると、ヘビに睨まれたカエルのような気持ちになってしまう」って書いてるんや。

こういう無理なお願いをされても、「ふざけんな!」って怒るどころか内心は喜んでたなんて……。
人間って複雑だなぁ。ボクにはちょっと分からないや!

とはいっても、南極は西堀が11歳のころから憧れていた夢やったし、ヒマラヤも学生時代から仲間たちと何度も登頂計画を立てていたもんなんや。どちらも間違いなく西堀の夢やったことなんや。

子供のころから夢見ていた南極もヒマラヤも、実現可能になったのは50歳を超えてからやもんなぁ。
若いころとは身体的にも環境的にも全然違うやろうしな~。気軽に引き受けられへんのも分かるで。

まぁ当時を知る人に聞くと、
「今西錦司のに声をかけてもらえるかどうか」は非常に大きなことやったそうやで。今西に一言でも声をかけてもらえたり、ましてや少しでも褒めてもらえたりしたら、それこそ有頂天になるくらいやったんや。

すごいなぁ!
とはいえ、今西さんの難易度の高いお願いを達成できる力をもっている西堀さんも十分に凄いよね!!

エテ。ええことに気づくやないか。そのとおりや。
今西錦司は優れたリーダーだったと言われてるけど、それは彼の指示を理解して、目的達成のために動く優秀な仲間たちがいたからこそなんや。

今西錦司の周囲には優秀な仲間たちが、西堀さん以外にもたくさんいたんだろうね

そや。
いくら優秀でもリーダーだけでは何にもできひんからな。

ちなみに、ヤルン・カンはヒマラヤにある8000メートル級の山やで。今西にヤルン・カン隊の総隊長の依頼を受けた時、西堀さんはもう70歳を超えてたんや。
70歳!?
そんなおじいちゃまがヒマラヤの山になんて登れるの?死んでしまわへんか!?

もちろん、登攀隊長として現場で判断するリーダーは別にいやはったんやけど、西堀さんは登山の成功を願う「お守り」として総隊長を引き受けはった。
そんで西堀さんは、ヤルン・カンのベースキャンプ(5000m級)までは自力で登ったんや。そこからアマチュア無線を駆使して、登山隊に正確な天気予報の情報を伝えたりしてるで。

なんておじいちゃまや…(驚愕)

そうや、エテ。お前、悪いけどちょっと頼まれごとをしてくれんか。ちょいと大変なんやけどな、お前にしか頼めへんのや

えぇ~~~、ボクも忙しいねんで?
もう、まったく仕方あらへんなぁ!(ウッキウキ)
なんや、言うてみて♪(ルンルンスキップ)

……
(見事な子分やな)